軍事史学 35(2)(138)

軍事史学会 編『軍事史学』35(2)(138),

錦正社,

1999-09. 

国立国会図書館デジタルコレクション 

https://dl.ndl.go.jp/pid/2662011

 (参照 2025-08-15)



巻頭言――「大戦争はなくなるか」 / 赤木煥爾/p1~1

文永の役における日本遠征軍の構成--耽羅(濟州島)征討から元寇へ / 大葉//昇一/p4~19

軍隊教育用図書検閲制度導入の経緯--出版法、著作権法との関係 / 安達//将孝/p20~33

英軍による降伏日本軍人の取扱い--南方軍終戦処理史の一断面 / 喜多//義人/p34~47

東京裁判の訴願問題 / 日暮//吉延/p48~63

英国のセイロン島防衛作戦 / 横谷//英暁/p64~81

パウル・カレル(松谷健二訳・吉本隆昭監修)『焦土作戦 上・下』 / 守屋純/p82~82

ハインツ・グデーリアン(本郷健訳)『電撃戦 上・下』 / 守屋純/p82~83

西岡香織『報道戦線から見た「日中戦争」――陸軍報道部長馬淵逸雄の足跡』 / 原剛/p83~84

安岡昭男編『近代日本夫形成と展開』 / 原剛/p84~84

別冊歴史読本 戦記シリーズ46『海軍機動部隊全史』 / 原剛/p84~84

秦郁彦『慰安婦と戦場の性』 / 原剛/p84~85

総山孝雄『ムルデカ!-インドネシア独立と日本-』 / 太田弘毅/p85~86

軍事史関係資料館探訪(23)蓬左文庫 / 守屋純/p87~88

私家版情報コーナー(36) //p89~91

第三十三回(平成十一年度)軍事史学会大会報告 / 愛澤淳 ; 三輪公忠/p92~98

例会報告 / 柴田紳一 ; 安藤公一/p100~105

〔軍事史学会〕関西支部第41回例会報告/101~105

新入会員氏名 //p81~81

『軍事史学』バックナンバー在庫リスト //p19~19

新会員募集のお知らせ / 軍事史学会事務局/p106~106

会員消息 //p105~105

投稿案内 //p47~47

前号目次 //p63~63

軍事史学会会則 //p107~108

軍事史学会役員名簿 //p109~109

『軍事史学』投稿要領 //p110~111

編集後記 / 庄司潤一郎/p112~112



【キーワード】

英軍による降伏日本軍人の取扱い



英軍による降伏日本軍人の取扱い ー南方軍終戦処理史の一断面ー 喜多義人


はじめに

 昭和に二十年八月十五日 無条件降伏時、外地にあった日本軍人 約三五三万四、〇〇〇名(南西諸島を含む)

 ポツダム宣言

  完全に武装を解除せられたる後各自の家庭に復帰し、平和的かる生産的の生活を営むの機会を得しめらるべき(第九項)

 この規定に従い、ソ連、英国、オランダを除く連合軍は、昭和二十一年七月までに戦犯を除く将兵の日本送還を終了

 ソ連

  五七万五、〇〇〇名をシベリアに連行

  厳しい自然条件下で過酷な労働を課した

  六万二、六三六名もの死者を出した

 南方地域

  陸海軍人 六三万三、〇〇〇名

  在留邦人 九万三、〇〇〇名

  台湾・朝鮮人 一万四、〇〇〇名

  英軍を主体とする東南アジア連合軍(South East Asia Command, SEAC)に降伏した南方軍将兵

   捕虜(prisoners of war)

   ではなく

   降伏日本軍人(Japanese surrendered personnel, JSP)

   国際法が定める捕虜の待遇を与えられない

   粗末な給養 危険な、あるいは不潔な労働に使用

   一〇万六、〇〇〇名もの将兵が昭和二十一年七月以降も「作業隊」として残置

   結果、昭和二十三年一月の送還終了までに、九、〇〇〇名近い死者がでた

一 無条件降伏と日本軍人の法的地位



南方軍復員史

マレー捕虜記 本田忠尚 図書出版社 一九八九年

南方軍の挽歌 本田忠尚 西田書店 一九九二年


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